威鶴の瞳
……思っていたよりもこの状況は面倒なことだ。
あっちの依鶴さんだったら、この状況で代わるか、威鶴と連絡というか、会話というか、情報が聞き出せたりはしただろう。
威鶴なら頭の回転が速いから、この状況でも解決策が練れた……と思う。
だがこの『依鶴』さん、主人格は、他の人格とは全く別物で、完全に孤立している。
もしこんな時にBOMBの依頼が入ったとしたら……どうする?
威鶴は呼べない。
それどころか、いつ代わるのか、『依鶴』さんが眠りにつくのか、全く予想が出来ない。
どうやら昨日は丸一日以上この人が独占……というのもなんかおかしい話しだけど、この『依鶴』さんが身体を独占していた。
となると、それ以上の時間を独占する可能性も出てくるどころか、このまま一生威鶴が出てこない可能性だってあるんじゃないか――?
自分がどれだけ、軽く見ていたのか、気付いたような気がする。
依鶴さんは怖がっていた。
いつ自分が消えるのか、全く予想がつかない。