威鶴の瞳


「オートロックだったのか……」

「お、オートロック……でしたんでしょうか?」



そういや俺が部屋に入る時いつもチェーンしかかけていなかったような気が……する?



かといって俺は前に一度この部屋に鍵もなしで突入して来たことがある。

そう、依鶴さんが風邪をひいた時、俺はピッキングでこの部屋に入ったのだ。

だがしかし、今日は予定外であって。



「道具持ってきてねぇ」

「……?」

「部屋に入れねぇ」



今日は車の鍵しか持っていないという事態。



「悪いが威鶴に代わ――あ」



代われ、ない。

コイツは主人格だから確か裏の人格があることを知らなかったわけで、その逆で威鶴もこの『依鶴』さんが目を覚ましている時は認識していないわけだから……。

威鶴とすら、代われない……?


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