威鶴の瞳
「つまり、ホンモノ」
……ホンモノと、ニセモノがあるんだろうか?
私は理解が出来なくて、頭を働かせても、どうしても理解が出来なかった。
きっとこれは私が頭が悪いわけではないと思う。
「……まぁちょうどいい。この前このことについてケリ付けて来たばっかなんだ」
「このこと、とは……?」
「昼食いながら話す。いつもの部屋……俺が案内するから来い」
そう言って竹原さんは私の腕を掴んでお店の裏へ続くドアを開けて、入ってしまった。
きっと私は今ここで働いているらしいから、行っちゃだめというわけではないとは思うけど……。
お弁当を広げて、おいしそうなおかずに手を付けながら、今私が置かれている状況を聞いた。
「『依鶴』さん、確か威鶴たちのことは自覚してないんだったか?」
「……私?ですか?」
「驚くかもしれないが、とりあえず聞け」
そう前振りをされて、少し緊張しつつも、期待していた。