威鶴の瞳


いちごみるく。

いちごみるくって……ねぇ?

男の人が、いちごみるく……。



「竹原さんて、常にお酒飲んでそうなイメージがあります。成人されてますよね?」

「成人してる上に言っとくがお前のが年上だからな?」

「え。……あ、でも私も成人してたんでしたっけ?」

「23だろ?俺は20だ。お前も酒飲める」



お酒の話か。

なんだか、大人な会話という感じがして、少し嬉しい。



「竹原さんはお酒飲まないんですか?」

「酒は苦い。わかるか?苦いものをなぜ飲む必要がある?ビールなんて苦でしかねーよ。――」



――あ、こんな時に。

また意識が、プツリ、途切れて。



気付けば今度は、ベッドで寝ていた。

……どこだここ?



知らない部屋、薄暗い室内、寝かされていたベッド。
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