威鶴の瞳


「……弟がいますね、妹も」



未だに不信な顔をしている彼女に、爆弾投下。



「竹原遥香さん」



彼女は目を見開いて驚く。

それはそうだろう。

これは完全なる個人情報なのだから。



しかも、威鶴自身が知っている、個人情報。



「なんで……」

「あなたの弟さんは、家で暴れて家出したまま……あなたには会っているようですが、家には帰ってない」

「……透眞を知ってるの?それとも叶香?」

「いえ、『私』は知りませんよ」



威鶴が知ってるだけで、依鶴は何も知りませんとも。



「占いの力じゃないですか?」



そう言ってニヤリ、誘う。



「あなたの悩み、知りたい未来は、ありますか?」



トーマの姉・竹原遥香は、コクリ、1つ頷いた。


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