威鶴の瞳


確かに占いとは確信のあるものではない。

むしろ遊びに近い感覚でなければやっていけない。



──そう、占い、ならね。



私のは占いじゃない。

私の能力は、実際に見ているものだから。



でも、占いと名の付くものとして仕事している以上、お客はそんなことは関係ないのだ。

私のお客にとっても、遊び。

予知とすら考えない。



だからこそ占いでは、その人がすでに過ごしたことのある過去を使い、当てることで、人を信じさせる。

よくある手段。

その人自身しか知らない事なんかを当てれば、それだけで信頼を得る。



どことなく手放したくないと思った客だから、悪いけどフライングで過去を覗かせてもらった。



「……なに……」



気付かれた。



覗かれている違和感を感じるタイプ、か。

早く確信できる過去を探そう。



目まぐるしく過去が流れてくる中、私はある人を見付けてしまった。



その時、私の勘……正しくは記憶がが正しかった事を知る。

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