教組の花嫁

 ほのかは椅子に座ると、サングラスを外した。



 「あっ、嶋中ほのか!」



 北河がほのかと知って驚いた。

 「そうよ。いつぞやはお世話になったわね」
 長い黒髪のかつらを被ったほのかが、北河に皮肉を言った。


 「何か用」

 北河は、ほのかが自分の席に来た目的が分からない。


 「星野さんの密会相手が、カメラマンだとはね」
 「密会相手?」


 北河が、飲み掛けのコーヒーを皿の上に置いた。


 「星野さんは教祖様の愛人なのよ」
 「教祖の愛人?」


 「そうよ。教祖様に見つかれば大変な事になるわよ」
 「愛人、そんなの信じられない」


 北河は、小波が教祖の愛人になった事を知らなかった。


 「証拠を見せて上げましょうか」


 ほのかが、ニヒルな笑みを浮かべながら北河に言った。







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