教組の花嫁

 道心は、小波を教祖室に呼んだ。

 小波は、道心がなぜ自分を教祖室に呼んだのか、わからなかった。


 「私に何か用事でもありまして」


 小波が道心に尋ねた。


 「先程、泰子と嶋中君が二人でここに来てね。何を話したと思う」


 道心が、意味深な事を言って小波の反応を窺った。


 「何を話しましたの」

 小波は平然としている。


 「永心は私の子じゃ無いと言うんだよ」


 「ええ!そんなひどい事を。では、誰の子供だと言うのですか」


 「北河とか言うカメラマンの子だ、と言うんだよ。何でも、その男は、君の元同僚らしいね」


 (北河の名前だけでなく、元同僚までばれている。ほのかが北河から聞き出したのか。・・・と言う事は、ほのかと北河は、かなり親密な間柄になっている。ほのかの事だ。北河を誘惑したのかもわからない)


 小波は、思い巡らしてしらばくれても無駄だと思った。







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