教組の花嫁
「永心は・・・」
そこで、道心は言葉を止めた。
(その後が、聞きたくないのだろうか)
(それとも、聞くのが怖いのだろうか)
小波は意地悪い顔で道心を見詰めた。
「お二人が言われる通り永心は、北河の子供ですわ」
小波は、思い切り悪女を演じるつもりでいた。
「やはり、本当だったのか」
道心は、永心が北河の子供だと聞かされショックを隠せなかった。
「ええ、本当ですわ。私は北河を愛しておりますわ。だから、北河の子供を身篭ったのです。あなたには、それが、おわかりになりませんの」
小波が意地の悪い言葉で、道心の心を踏み付けた。