教組の花嫁
 
 「最高の日本酒ですか?」


 純は信じられないと言う顔をした。


 「うちの売店で900mℓ 1万円で売っている最高の日本酒を、あなた知らないの。とびっきりおいしいのよ」
 

 百合葉が呆れた顔をして。


 「900mℓが1万円ですか。1升瓶なら2万円じゃないですか」
 「その代わり日本一、いや世界一おいしい酒だ。しかも、健康にいい。洋酒なら何十万円もするものもある事を考えれば、安い位だ」

 「教祖様はこのお酒が一番お好きなのよ」


  百合葉が純を見て囁いた。


 「私は世界中を放浪して、ワイン、スコッチ、バーボン・・・といろいろな酒を飲んだ。その結論がこれだ。君たちも一杯どうかね」


 そう言いながら、道心がグラスに永命を注いだ。






 

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