教組の花嫁

 「ああ道心・・・」


 「馬鹿にしやがって」


 「殺してやる」


 泰子が出刃包丁を両手で摑むと、道心の胸を目掛けて突進して来た。


 「やめないか」
 

 道心が木刀で、泰子が持っている出刃包丁を叩き落した。
 泰子が、廊下に崩れるように倒れた。


 わあ~ん、わあ~ん、うえ~ん、うえん、ううううっ・・・。


 泰子が子供のように泣き出した。


 「千葉君、警察だ。・・・いや、待て。ここで、泰子を見張っていてくれないか」


 刃物沙汰が公になると、教団のイメージを損ねる事になる。
 道心はそう考えると、ある物を取りに教祖室の中に入った。


 百合葉は出刃包丁を拾い上げると、泰子を呆れた目で見詰めた。






 
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