教組の花嫁
小波はエレベータが閉まるまで、永心を見送っていた。が、永心が見えなくなると、座り込んで泣きじゃくってしまった。
「永心様、ここが二人のおうちですよ」
「ゆー、ゆー」
永心は、ご機嫌で家の中を走り回っている。
百合葉が、永心を目で追っ掛けている。
「ここが私の家か。これから、永心と二人での暮らしが始まるのか」
「永心。暫くの辛抱よ。お父様も間も無くここで暮らすようになるからね」
「この教団をここまで大きくしたのは、教祖様と、私の二人の力があったらばこそ。教祖様と、未来の教祖様と、私の3人が暮らすのが、一番自然なのよ」
百合葉が、永心の動きを目で追いながら独り言を呟いた。
「それを、一日も早く実現させる為にも、次の手を打たなくちゃ」
百合葉が携帯電話から、まず嶋中ほのかに電話を入れた。