教組の花嫁
 
 小波は、永心の顔が見たくて見たくて、胸が締め付けられる思いだった。
 思いに急きたてられて、足は自然と1階へ。迷っている心を置き去りにして、小波の指がチャイムを押してしまった。



 ピンポン。



 (しまった)


 小波は少し狼狽をしていた。

 「はい」

 百合葉が応対に出た。


 「小波ですが」
 「・・・」


 「永心は」
 「いま、教育中ですので」


 百合葉の冷たい声が返って来た。


 「私も見せて頂く訳には、いかないでしょうか」
 「教祖様の許可は取っておられますか」


 百合葉が毅然と答えた。


 「子供に会うのに許可がいるのですか」


 (信じられない)


 小波は、呆れた顔付きをして百合葉に質問をした。





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