教組の花嫁
「教祖に成る為の大切な大切な教育です。教祖様の許可を無くして、誰であっても見学する事は出来ません。教祖様に許可を取ってから、もう一度、出直して下さい。では、教育がありますので・・・」
百合葉が、一方的にチャイムを切った。
「ああ、待って・・・」
ドンドンドン。
小波が、百合葉を追いかけるようにドアを叩いた。
百合葉は出て来なかった。
(千葉様は、なぜ永心に会わせてくれないのか。もしかして・・・。私から永心を奪う
つもりかしら。そんな事があろうはずがない。では、どうして・・・)
小波は、永心に合わせる事を拒む百合葉の思いを計った。
「永心」
「永心」
小波が、我が子の名を呼んだ。
「永心に会いたい」
「狂いたいほど、永心に会いたい」
小波は、胸が張り裂ける思いで永心を必死に呼び求めた。