教組の花嫁

 北河は、新幹線の車窓から外の景色をぼんやりと見ていた。


 新幹線はもう少しで京都。
 北河は土日の休みを利用して、命の泉の本部がある西宮に向っていた。


 北河はホテル泉に到着すると、携帯をバッグから取り出し百合葉に電話をした。


 「はい、千葉です」

 百合葉が電話に出た。


 「北河です。先日の話、OKしようと思って」


 「それは、良かったわ。あなたに一度会いたいわ。今、どこ?」
 「ホテル泉の喫茶店です」


 「ええ、『泉』にいるの。気が早いわね。じゃ、今からそちらに行くわ」


 暫くすると、百合葉が喫茶『泉』の入り口に現れた。


 百合葉は店内を見渡した。幸い、男性客は年配の男性しかいなかった。
 百合葉が北河の待つテーブルへ。


 「北河さんかしら」
 「ええ、北河です」


 「千葉です。この度は、遠路はるばるありがとうございます」


 百合葉が、そう言って名刺を差し出した。





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