教組の花嫁
「嶋中さんとは」
小波が、訪問の目的を探る為に北河に尋ねた。
「ほのかか。別れたよ」
「では、なぜ」
「その答えを言う前に、星野さんにひとつ質問があるのだけど・・・」
北河は、小波と再会して愛しさがまだ枯渇してない事を実感した。
「質問って何?」
「今は、幸せ?」
「ええ、最高に幸せよ」
永心に会えない寂しさはあったが、小波は小さな嘘を付いた。
「それは、良かった」
北河は小波の表情から、小波の言葉は嘘でない、と直感した。
小波が、最高に幸せと知って北河は心底嬉しかった。
(あの仕事は断るか)
北河は小波が幸せか、そうで無いかで、仕事を受けるか、止めるか、決めるつもりでいた。
不幸せなら・・・。
報酬を貰わなくても、教祖から小波を奪うつもりだった。