教組の花嫁
「お呼びでしょうか」
百合葉が教祖室に現れた。
「折り入って話があってね」
道心が、百合葉をじろっと一瞥した。
「何でしょうか」
「このお金は、君が北河とかいう男に渡したものらしいが、それは本当かね」
「どうして、そのお金が」
百合葉が、見覚えのある1万円の束を見て道心に尋ねた。
「北河が小波に、このお金を千葉君に返して欲しいと頼んだそうだよ」
「北河が・・・」
(北河が裏切ったのか。これじゃ、嘘を付いても無駄ね)
百合葉は、道心には企みを隠し切れないと観念した。
「千葉君。このお金は、君とどう関係があるのかね」
「そのお金は、私が北河に前金として渡したお金ですわ」
百合葉が正直に答えた。