教組の花嫁
「何の前金だね」
「奥様を誘惑して、メロメロにして頂く為の前金です」
「何の為にだ」
道心が不機嫌に言った。
「奥様を追放する口実を作る為ですわ」
「小波が言った事は本当だったのか。呆れたね。小波を追放して、君にどんな利益があると言うのだね」
「では、包み隠さず言わして頂きます。この教団をここまで大きくして来たのは、教祖様と、私の力があったればこそ。跡継ぎが出来た今、あの女は必要では無くなったのです。私と、教祖様と、永心様の3人が一緒に暮らす事こそ自然な形。それで、北河の力を借りたのです」
百合葉が、今まで心の中に密かに温めてき思いを、包み隠さず吐き出した。
「そんな馬鹿な。君は、私の気持ちを少しも考慮していないじゃないか」
道心が、百合葉の考えを知って少し狼狽した。