教組の花嫁
「教祖様だって私の気持ちを、少しもお分かりではありません」
百合葉が、不気味な笑みを浮かべた。
「君の気持ち?」
「私は女です。教祖様は、私の事を教団運営上の単なるパートナー、と思ってらっしゃるかもわかりませんが、私はそうは思っておりません」
「君はどう思っているのだ」
「私は教祖様をずっとお慕いしておりました」
百合葉が長い間、封印してきた道心に対する思いを告白した。
「な、な、何を言うのだ」
「私は教祖様の愛を頂いて以来、ずっと同じ気持ちですわ。ただ、私には子が出来なかった。それで、教団の将来を考え、跡継ぎを作る為に、仕方なく教祖様に愛人を差し上げたのです」
「そうだったのか」
道心が、がっくりと肩を落とした。
「教祖様はずるい人。私の気持ちを知りながら、知らない振りをされている。今までは許せた。でも、今回は違う。あの女は、あなたに愛され、あなたの子を産んだ。このまま、捨てておく事は断じて出来ない。女の意地に懸けて捨てておく事は出来ないのです。私を追放するか。あの女を追放するか。教祖様。あなたはどちらを選択なさいますか」
百合葉は何もかも捨てる覚悟で、自分の言い分をはっきりと主張した。