教組の花嫁
「お母ちゃん---!」
小波は叫び声を上げた。
「お母ちゃん」
「お母ちゃん・・・」
ポトン、ポトン、ポトン・・・。
涙が滴り落ちる。
「いややあ~」
「いややあ~~」
「私を残して、どうして死んだんや・・・」
「ひどいわ。お母ちゃん、ひどいわ~~。うううっ・・・」
小波は号泣した。
「お母ちゃん・・・」
「お母ちゃん、うううっ・・・」
「うっうううっうう・・・」
小波はおろおろするばかりで、ただただ涙を流して泣いていた。
母は小波を残し、父の後を追ってしまったのだった。
母は小波宛と、父の弟である東京に住む叔父宛に、遺書を書き残していた。