教組の花嫁
 
 小波へ                   



 ご免ね。本当にご免ね。許しておくれ。


 母さんは辛くて、辛くて、辛くて、もう限界なんだよ。


 せめてお金が残っていれば、生きてゆけたかも知れない。でも、父さんがあんな宗教に騙されたもんだから、お金さえも残っていない。


 母さんは生きる希望を、みんな無くしてしまった。

 父さんの後を追うしか考えられない、弱い母さんを恨まないでおくれ。



 心残りは小波の事。
 
 東京の叔父さんによく頼んでおくから、叔父さんの言う事をよく聞いて、可愛がってもらうんだよ。






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