教組の花嫁
「多分」
北河の顔が微笑んでいる。
「遠くから見ていてご免ね。ほのかに顔を見られたくなかったの。実は、私、受付でほのかの隣で奉仕をしているの」
「へえ、そうなんだ。俺は気にしていないよ。他人の仕事には、口出ししないタイプなんだ」
北河が呟いた。
「ありがとう」
「それより、星野さん写真を本社に送れないかな」
「このホテルの一室を借りれば、私のパソコンで送れると思うよ」
「悪いけど送ってくれないか」
「了解」
小波はホテルの一室をフロントで借り受けると、急いで403号室に入った。
パソコンを起動。
カメラとパソコンを繋ぐと、小波は北河が映した写真をパソコンに取り込んだ。
「よく撮れているわ」
自分のデジタルカメラで写した受付でのほのかの写真。小波は一週間前に、それもこのパソコンに取り込んでいた。