教組の花嫁

 わくわく命の泉わく。

 わくわく命の泉わく。

 わくわく命の泉わく。



 小波は心の中で思いをさまよわせながら、呪文を繰り返していた。



 教祖の今津道心は、監視カメラが捕らえる映像を、モニターテレビで眺めていた。


 道心は道場の2階を映すモニターテレビで、ひとりの女性をじっと見詰めていた。


 その女性とは小波だった。



 「この女性は新顔だな」

 道心は、モニターテレビを見ながら独り言を呟いた。



 「年齢は27か8か」



 住居棟の3階の教祖室には、モニターテレビが10台以上設置されている。



 道心はこのモニターテレビで、信者の様子を観察していた。

 道場の2階には、モニターテレビが2台設置されていた。



 身の回りの世話をしてくれている千葉百合葉に、道心は電話を入れた。


 「もしもし私だ」
 「ああ教祖様、何かご用ですか」

 「悪いが教祖室まで来てくれないか」
 「はい、わかりました」



 しばらくすると、教祖室のドアをノックする音がした。





 
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