教組の花嫁
コンコン。
「入ってくれ」
「失礼します」
百合葉が教祖室に入って来た。
「今日はバーを開店出来るか」
道心が百合葉に言った。
「私は構いませんけど・・・また、お疲れですか?」
「今度の疲れは山みたいだ」
「可愛そうな教祖さま」
「お前だけだ。私の苦しみをわかってくれるのは」
「好みの子が見つかりました?」
「ああ」
「どの子ですか?」
「この子だ」
道心は2階道場、左のモニターテレビで瞑想しているひとりの女性を指差した。
「ひとりだけですか?」
「もうひとり頼む」
今度は、右のモニターに映る22歳前後の女性を指差した。
「わかりました」
「悪いがその前に風呂の入りたいので、用意をしてくれるか?」
「では、用意をしておきます」
小さく会釈をすると、百合葉は教祖室を出て行った。