教組の花嫁
 
 「付き添い?お婆さんがいたっけ」


 北河が答えた。


 「そのお婆さん少し変じゃなかった」

 「そう言えば、お婆さん途中でつまずいたんだけど、その後は背が急に高くなっていたんだ。今から考えると少し変だよな」



 「それが、ほのかよ。間違いないわ」


 小波が自信を持って言った。


 「ええっ!お婆さんがほのかだって。信じられない」


 北河が驚いた顔をした。


 「ほのかはアカデミー賞に輝く女優よ。お婆さんに化ける位、朝飯前よ。念の為に、私、今からフロントに行って確かめて来るわ」


 小波はフロントに行って、係りの者に尋ねた。


 「嶋中ほのかさんと一緒に受付で自発奉仕をしている者ですが、ほのかさんはまだおられますか」





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