教組の花嫁
フロントの女性スタッフが、小波の質問に答えた。
「嶋中さんですか。もうチェックアウトされましたね」
「何時ごろチェックアウトされました」
「そこまでは・・・」
「なら、結構です。ありがとうございます」
(やっぱりだわ)
小波の勘が当たっていた。
小波は北河の所に走って行った。
「私の勘が当たっていたわ。ほのかは、もうチェックアウトを済ませているわ」
「本当かよ。まいったな」
北河が信じられないような顔付きで。
「私は今から教団の中に入って、ほのかを捜すわ。北河さん、これからは別行動しましょうよ。あっ、それからホテルの清算をお願いしてもいいかしら」
「あっ、いいよ」
北河が頷いた。