“隣の不可思議くん”


「あなたは、本当に皐月に似ている。他人(ひと)のために涙を流せるとても優しい女性です。」


私を宥めるように、また皐月さんを想ってだろう強く強く抱きしめてくれた。



「華乃さんにもう一つお聞きしておきたいことがあります。」


何かと相手を見ると凄く真剣な面持ちであった。


「馨のことが好きですか・・?」


「えっ・・?」


答えを出すのにためらっていると、澄羅さんは察したのか大丈夫ですと言った。



「馨は、今私の中で眠ってもらっています。」



そういった澄羅さんの言葉を信じて口を開いた。


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