眠り姫の唇
その男性は岩城を見るなり目を輝かせた。
「岩城ぃ!おいどうしたんだよ!久々だなぁ!」
「お前、社長になってから、スーツ派手じゃないか?」
岩城が不躾に男性を上から下に眺めて怪訝な顔をする。
しかしそんなこと全く気にせずに男性はガシッと岩城に肩を組んだ。
「付き合い悪いんだよ!最近飲みに誘っても全ー部断るし、無愛想に拍車がかかってるぞ!」
アハハハと笑って男性は岩城を小突く。
それを岩城は鬱陶しいそうに払いながら男性に諭した。
「それより、お前いつからここに居たんだ。駐禁とられるぞ。移動しよう。」
「オッケ、んじゃいつもの場所で。」
「ちょっ!健人離しなさいよ!私あっちの車に乗るんだから。」
「なんでそんな岩城にハーレム気分味合わせなくちゃいけないんだよ。じゃあまたあとで!」
そう言って手でOKサインを作り、男性は前川を無理やり車に乗せて急発進した。
途端に夜道は静けさに包まれる。