眠り姫の唇

店内に入ると、既に二人はカウンターに腰掛け、グラスをカラカラ言わせている。


「遅いぞ。ナニしてたんだ?」

ニヤリと久保井が笑い、


「ナニって、ナニだろう。」


それに岩城もニヤリと返す。


明らかにシモネタの二人に瑠香はため息を尽きながら端っこに座った。



「いらっしゃい。子猫ちゃん久しぶりだね。」


バーテンダのノブさんがタレ目を細くしながらニッコリ笑う。

瑠香も会釈しながら微笑み返した。


「あれ?高江ちゃんここ来た事あるの?」


多分前川から名前を聞いたんだろう。


車の中で何があったのか、二人はいつの間にか仲良く隣に座っている。


…前川の顔が少し赤いのは気にしないでおこうと瑠香は思った。


「はい、前に岩城さんが連れてきてくれて。」


「ちょっとー!高江ー!お姉さん何も聞いてないんだけど!」

カウンターに前のめりになりながら前川がこっちを見る。


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