眠り姫の唇
シャワーでサッと髪を濡らされ、液体をつけた大きな指が髪に差し込まれる。
瑠香はガチガチに体を固くしていたのだが、ワシャワシャと意外に気持ちいいその感覚に、いつの間にかスッと目をつむっていた。
一本一本の指先が絶妙に頭皮を刺激する。
緊張していた背中が、徐々にリラックスして力が抜けてきた。
気持ち良い。
人に美容院以外で髪を洗ってもらうなんて久しぶり過ぎる。
しかもついでに首まで軽く揉んでくれるので、瑠香はいつまでもこうしていたかった。
あまりにも気持ち良いのでこてんとそのまま後ろの岩城の胸にもたれる。
岩城の胸は泡だらけになっているのだろうが、岩城は何も言わず、それどころか嬉しそうに瑠香に話しかけた。
「気持ち良いか?」
「はい…最高です。」
ほんわりと目を閉じながら瑠香は後ろに返事する。
「…下手したら美容師さんより気持ち良いです。」
「それは良かったな。」
ハハハと笑って岩城はシャワーに手を伸ばした。