眠り姫の唇
「目ちゃんと瞑っておけよ?」
完全に子供扱いしながら岩城が瑠香の頭にシャワーをかけていく。
泡を含んだ水分が次々とバスタオルを襲って、みるみるうちにずっしり重くなり、身体に貼り付いた。
お風呂場でバスタオルを体に巻いているという状況があまりないので、瑠香はそれをかなり持て余す。
これって流し終わった後、軽く絞るべきなのだろうか。
予想以上に重い。
岩城の見ていない所でこっそり絞ろうと心の中で瑠香は思った。
丁寧に泡を落としてもらった後、瑠香はくるりと首だけ振り返る。
「はー、ありがとうございました。人に洗ってもらうのってなんだか気持ち良いですね。あ、今度は私が岩城さんの頭洗いましょうか?」
それに返事をするかのように岩城が首を瑠香の方にもたげる。
どうやら頭に触っていいようだ。