眠り姫の唇


「あの、続きは二人で話し合って下さい。とにかく、私達の事はそっとしておいてくれればそれでいいんで…。」


ぐったりしたような瑠香を、二人はハッと忘れていたかのように振り向く。


ちょっと照れたような顔をした三國に謎の殺意が生まれた。


こんなことになるまえに、ちゃんと かたをつけて置いてよヘタレ三國め。


「じゃあ、三國、竹子さんをよろしく。」


「そ…、その名前で呼ばないで!!!」


カァと顔を赤くした桜子に、瑠香はニヤリと笑って部屋を出た。


佐倉竹子。


桜子の本名だ。




案外、根っこから悪い人ではなかったのかも知れない。



瑠香は廊下でヒールをコツコツいわせながらうーんと背伸びをする。


一つ大きなプレゼンを終わらせたような充実感だ。


ま、得たものはないけれど、守れたものはきっとある。






とにかく、終わったのだ。






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