眠り姫の唇
突然の甘いキスに瑠香は戸惑いを隠せない。
いったい全体、どういった流れでこうなったのか。
「エプロンもそれなりにそそるな。」
エプロンか?!
エプロンが原因なのか?!
キスの合間に囁かれる悩殺ボイスに、すでに足腰がフラフラしてくる。
どうしてこの人のキスはこんなに直接脳にクるのだろう。
唇なんか毒にでもやられたようにしびれて感覚があやふやだ。
甘くて毒があるなんて…、私が中毒になってもこればっかりは誰にも責められないだろう。
瑠香はぼんやりする意識の中そんな事を考える。
「………っ」
ていうか、エプロンなんかしなければ良かった。
エプロンに呪いをかけながら、これからどうやって抵抗しようかと考え始めた矢先、ナイスタイミングでレンジがなる。
チーン
その間抜けな響きに岩城も唇を自然と離した。
瑠香はすぐさま岩城の腕からすり抜け、レンジに駆け寄る。
「ご、ご飯の解凍出来ましたー。すぐつくるんで待ってて下さいね。」
「…ああ。」