眠り姫の唇
「やっ、ちょっと、危ないです…っ。」
途端に余裕をなくす彼女に、岩城はまたフッと笑ってしまう。
「そんなに力は入れていない。」
「そうですけど…っ」
硬直しながらも、なんとか包丁を握る瑠香に岩城は顔を擦り寄せる。
「!」
ビクッと震える瑠香に、岩城はやっぱり包丁は危ないな、と、そっと包丁を握る手に自分の手を重ね、ゆっくりと取り上げてまな板の上に置いた。
そっと彼女の顎に手を当て、くいっと上に向かせて唇を奪う。
それだけで身体を震わせる彼女をまたギュッと抱き締めて味わうように唇を貪る。
切なく寄せられる眉に、岩城はヤバいなと思った。
彼女のこの表情に、カチャリと理性を壊される。
止まらなくなるのだ。
いつも。
「…ん、」