あやつられるレディ
嫉妬
四肢を優雅に動かし、マシンと一心同体となり、おもいのまま操りながら、彼はいつもクールな表情を崩さない。
そんな颯爽とマシンを乗りこなす彼が好き。

でも、私には見向きもせず、愛車“フェアレディ”を操り続けている彼を見ていたら、ジェラシーを感じてしまう。

名前がわるい、“レディ”なんてついているから…。



…おねがい、ハンドルよりも私にふれて…

…マシンのエンジンよりも熱いハートにきづいて…

…クルマとワタシどっちを愛しているの…


まるで放置プレイのようで、そんな愚問をぶつけたくなる。


思わず、ハンドルを握る彼の左手に、自分の右手を重ねる。


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