気がつけば愛でした




社長らがそんな話をしているとは知らず、静奈は遅めのランチを終え、エレベーターに乗り込んだ。



「あぁ、待って。乗るわ」



閉じかけた扉に向かって外から声がかかったため、静奈は慌てて「開」を押す。


ゆっくり開いた扉から入ってきたのは小柄でちょっとぽっちゃりした女性だった。
しかし背筋はスッとしており、品がある。
なにより目鼻立ちがくっきりした美人であった。


「ごめんなさいね。」

「いえ、こちらこそ。何階ですか?」



思わず見つめてしまっていた静奈はハッとして聞き返す。



「社長室に行きたいの。何階かしら?」

「社長室…。何かご用でしょうか?」



不信がるわけではないが、つい用件をきいてしまった。

すると女性は静奈を見て、にっこり微笑む。



「ええ。息子に会いに」





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