気がつけば愛でした
「今んとこ、俺はアイツの唯一の身内だ。もちろんお袋も大切だけど、でも俺はアイツを守りたいし、助けたい。それが本音。」
「社長…」
静奈は思わず零れそうになった涙をキュッと唇を噛んでこらえた。
この人はなんて大きな人なんだろう。
「まぁ~今は静奈ちゃんがいるから大丈夫だろうけどね~。あ、律には絶対言うなよ!」
「はい」
静奈は涙を浮かべてにっこり笑った。
大丈夫。
高柳はもう孤独感はない。
こんなにも温かい兄が存在するのだから。