時を駆けた夏 ~また、君に恋をする~
「なーなー、今年海行かね? もし良いならこの4人で」
輝がズボンのポケットに手を突っ込みながら楽しそうに言う。
イベント事が大好きな輝は、夏休みは必ずと言っていいほどどこかに行こうと提案するのだ。
「海もいいけどー、やっぱ夏祭りでしょ! 私と葉月浴衣着てさー、花火見よ! わったあめやきそばかっき氷~♪」
「お前、食いもんばっかやないかい!」
「うるさいっ! 別にいーじゃんねー、葉月!」
「葉月は食いもんばっかじゃねーだろ、な!」
私と輝、両方に同意を求められた葉月は、「はいはい」と苦笑いしていた。