「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「はいはい」

「っく~、千里のそれ好きー」


よくわからないけど、早夜は冷たくされるのが好きみたいだ。
だから、会う度に冷たくするよう心がけている。

彼氏に冷たくされて喜ぶだなんて…とんだ物好きだわ。


俺には理解出来ない。

それとも、これは“恋愛”ではないからいいのだろうか。


その日は早夜の買い物に付き合って、食事をしてさよならをした。

本当にただ遊ぶだけ。
ホストと何が違うんだと思っていたけど。

…全然違う。


お金だけじゃない。
何もかもが違う。

ホストは愛されたいと、その嘘の愛を欲する為に店に通う。
だけど、レンタル彼氏は。

愛を求めてられていない。


それだけはわかる。

Sランクだから?
暇を潰しているかのように思える。

ただ、顔がいい男を自慢したいかの如く、見せつけて。
そして、奉仕してもらうだけ。


俺はこの仕事を始めて余計、「愛」というものがわからなくなった。


偽物の愛情でも、欲しいと思えるのがホスト。
期間中に、愛すらないのが…レンタル彼氏だ。
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