「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「あ、千里ー」

寮に到着した俺がエレベーターに乗り込もうとした時、俺を呼ぶ声がしたので振り返るとそこにいたのは吏紀だった。


「…吏紀」

「仕事終わり?お疲れ~。
コンビニで大量に買って来た」


嬉しそうに両手に抱えたスーパーの袋を俺に見せる吏紀。
男三人で飲み食いする量じゃねえと思うんだけど。


「なあ、千里の今の女、いい?」

「…何が」

「えーそんなんセックスに決まってんじゃん」

「…………」


吏紀はエレベーターに乗り込むと、ボタンを押してまた俺を見る。


「で、どーなの」

「教える気はない」

「えーーケチーーー」

「…………」

それに俺ははあっと溜息をついた。
ダメだな、俺溜息つくのがクセになってる。

まあ、それもこれも全て吏紀と、聖の所為だけど。


「今の俺の客さ~、まじで綺麗だし、胸もでけえの!
金持ちって何であんな美人ばっかなんだろーな?」

「自分に金使ってるからじゃん」

「ああ、成程!金あるんだから、整形とかバンバン出来るか」
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