「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
そんな事に俺は興味もないけど。
体は求められればするし、だけど、求められなければしなかった。

必要な事、不要な事。
それを自分の中で段々と決めていってるように思えた。


目的の階に到着して、俺達は降りると俺の部屋へと向かう。
部屋を開けると、聖がいた。

俺と吏紀を見て、手を上げている。


テーブルの上には大量のお酒や、お菓子や、つまみ。
甘い物はきっと、聖のモノだろう。

それにしても、これだけあっても足りないって…。
どういう胃袋してんだ、お前らは。


「よっしゃ~。飲もうぜ」

「え、その前に伊織呼んでくる」

「伊織来るの?」

「さっき、誘った」


吏紀が両手に持っていた袋をテーブルの横に置くと、聖とそんな会話を交わす。
俺はとりあえず、聖の対面のソファに座った。


「待っててー」

聖は立ち上がると、部屋を急いで出て行く。

…伊織、誰かと絡むように見えなかったんだけど。


「誠も誘ったんだけどね~。即却下」

「ああ…だろうな」


吏紀の事、毛嫌いしてる様に見えるし。
俺とは普通に話すんだけど。

といっても、一言二言だが。


すぐに玄関の扉が開く。
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