「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「二人、いつもこんな?」

「ああ、そう。迷惑でしょ」

「…くくっ、確かに」

「千里は初給料何に使った?」

「え」


つまみを口に入れると、やっと俺の事を見た伊織。
そして、そんな質問を投げかけた。

言葉に詰まる俺。


初給料。

…俺はほとんど手をつけてなかったから。


「…何も」

「ふ~ん」


自分で振っておきながら、興味なさそうに返事をする伊織。
その腕に真新しい時計を身につけているのを見つけた。


「…それ、買ったのか?」


腕を指しながら尋ねると、伊織は一度目線を腕に落としてからゆっくりと頷いた。
それから続けて言う。


「吏紀と買いに行った」

「吏紀と?」

「そーそー、俺と」

「ええ、俺知らない」


吏紀と行った事に驚いていると、すぐに吏紀が会話に混じり、更に聖が加わってきた。
その時の事を話す吏紀。
そして、自分の買ったものを自慢する様に見せてくる。

聖がそれに茶々を入れたりして、また二人がぎゃーすか言っていた。
酔いが回ってきたのか、二人は声もでかい。


ああ、うっせえ。こいつら。
飲むのはいいが、ここで潰れるなよ?
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