ずっと続く青空の下で





「では!」


あたしはペコリと頭を下げて、ダッシュで廊下を走り出すと…


「またな、高梨桃奈ちゃん」


ふいにあたしの名前を後ろで叫ぶ先輩に驚いて、思わず何もない床につまづきそうになりながらも、全力疾走でその場を去った。


今日のあたしは、何処かついてるのかも。


階段を駆け上がり…勢いよく教室の扉を開けて見えないゴールテープを切った気がした。


「…セーフ」


フゥと朝から軽い冷や汗を掻きながら、自分の席に着く。


て言うか…先輩、あたしが自己紹介した時起きてたんだ。


すっかり名前を分かってもらえてないままなのかと思ったけど。


「桃!おはよ!朝から元気だね~」


美樹はいつものように、あたしの席まで来て挨拶を交わしてくる。


あたしも挨拶を交わして、持っていた鞄を机に置く。


「桃、後でちょっと付き合って?」


突然美樹は少し小声で伝えて来て、それと同時に先生が教室に入って来たので『どうしたの?』と理由も聞けずに、美樹は自分の席に帰ってしまった。





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