キミのとなり。
ヒロシは風船をつついたことを、とても後悔していた。
“なぜ俺には言えなかったんだ?”
心の中でこの質問を永遠と繰り返していた。
ヒロシはその夜、ずっとそんなことを考えていたせいでよく眠れなかった。

次の日も変わらず、ミキはヒロシの教室にやってきた。
何もなかったかのようにまた、ミキは満面の笑みをヒロシに向けてくる。
今までは手に取るように分かったミキの気持ちがヒロシは分からなくなっていた。
< 3 / 9 >

この作品をシェア

pagetop