キミと出逢えたキセキ

⑤ 地震


突然、教室が横揺れを始めたのである。
グラグラと揺れている。

「え なに まさかの地震」

「しかも結構揺れてるよ」

周りはすぐに騒然となった。

「おーい 教室はいれー 今すぐだ」

学年主任の先生が叫んでいる。
みんな一斉に教室に戻り始める。

すぐにクラスの人数確認が行われた。

わたし、地震が世界で一番嫌いなのに。
5分以上揺れは続き、揺れがおさまったところで生徒は全員帰宅となった。
部活動も中止。

このまま家に帰って、1人でいる時に地震とか来たらほんと死ぬほどだわ。
まぁ これから悠里の家行く約束になってるし。

それに、そんなたいした地震でもないんだろう。
大丈夫でしょ。


それから、悠里とわたしと優斗と同じクラスの陸斗で悠里の家へ向かった。
バス停からバスに乗り、悠里の家はすぐだ。

「おじゃましまーす」

悠里の家は、共働きらしいからお母さんとかはいないみたい。
まぁ その方が気楽でいいけど。

悠里は地震が気になったみたいで、テレビをつけていた。
わたしも、それを見てとてもビックリした。

大したことないだろうと思っていた地震は、日本中がひっくりかえるほどの大ニュースになっていた。

震源地は、福島県の方。
結構近い。

だから、あんなに揺れが長く続いていたのか。
テレビには、見たことのないほど大きな津波が映し出されていた。

血の気がひいた。
いま こんな状況になっているのかと。

どこのチャンネルにしても、地震のニュースばかり。

わたしは不安になって、お母さんに電話をかけ、今悠里の家にいて自分は無事なことを伝えた。 お母さんが帰ってくる時間帯にわたしも家に帰るようにしよう。 葵たち大丈夫かな。
てか ココアとチョコ!!!今 絶対家の中じゃん。
超心配。


悠里の家で遊んでいる時も余震は続いた。

「あ また揺れた 今揺れてる揺れてる」

陸斗がそうつぶやいた。
確かに 今揺れていた。

こんな時に1人じゃなくて、ほんとによかった。
みんないて超安心だわ。

それから、6時ぐらいまで悠里たちと過ごしたわたしは陸斗と優斗と家に帰った。
バス停でバス待ちしていると、なぜか綺姫の姿が。

きょとんとしている。
もちろん わたしもだ。
こんなところに綺姫がいるなんて、思わないもん。

どうやら、綺姫も学校が早く終わったので遊んでいたらしい。
< 24 / 27 >

この作品をシェア

pagetop