身代わり王女に花嫁教育、始めます!
彼は先に鞍に腰かけ、リーンをひざに乗せた。
そのまま手綱と足でラクダを操作する。
立ち上がるときに大きく揺れたが、カリムがバランスを取り、彼女を抱きしめていてくれたのだった。
ゆらりゆらりと砂の上を漕ぐように“砂漠の舟”は夜の砂漠を進む。
兵士たちがついて来ようとしたが、カリムのスッと手を翳すと彼らはその場にとどまった。
(やっぱりただの側近じゃなくて、よっぽど力のある神官なんだわ。王も一目を置くような)
カリムはリーンの視線に気づいたらしい。
「どうした? 気分でも悪いのか?」
「いえ……どうして?」
「あなたは、ラクダを見たことがある、と言った。それは、乗ったことはない、ということだろう。この揺れが舟と呼ばれる所以(ゆえん)だ。初めて舟に乗った人間のように、酔うこともある」
そのまま手綱と足でラクダを操作する。
立ち上がるときに大きく揺れたが、カリムがバランスを取り、彼女を抱きしめていてくれたのだった。
ゆらりゆらりと砂の上を漕ぐように“砂漠の舟”は夜の砂漠を進む。
兵士たちがついて来ようとしたが、カリムのスッと手を翳すと彼らはその場にとどまった。
(やっぱりただの側近じゃなくて、よっぽど力のある神官なんだわ。王も一目を置くような)
カリムはリーンの視線に気づいたらしい。
「どうした? 気分でも悪いのか?」
「いえ……どうして?」
「あなたは、ラクダを見たことがある、と言った。それは、乗ったことはない、ということだろう。この揺れが舟と呼ばれる所以(ゆえん)だ。初めて舟に乗った人間のように、酔うこともある」