身代わり王女に花嫁教育、始めます!
レイラー王女の顛末は簡単に判明した。

衛兵と砂漠に逃げるとは、なんと軽率で愚かな王女だろう。

衛兵アミーンは砂漠の出身と報告書に書かれていた。彼の部族が匿っているに違いない。だが、砂漠の王を敵に回し、一部族に何ができるというのか。

今はアミーンの出身部族を探らせている。あと三日もあれば、レイラー王女の所在を突き止められるはずだ。


それらも含めて、バスィールの大公に使いを向かわせた。

王女の身代わりとなった侍女の出生と本名、年齢、家族の有無。返答がありしだい、リーンを砂漠の宮殿に連れ帰り、妻にするつもりでいる。

今は一日も早く、リーンを抱くことしか考えられない。彼女を抱き、処女の証を見せれば、すぐに妻とできる。

だが彼の中に、それだけでは充分といえない感情が芽生え始めていた。


王である彼に媚びる女は多い。

あるいは、王に対する恐れから体を開く女も少なくない。

リーンもそうだと思い、最初はからかい半分に羞恥の命令を出した。ときには不満を口にしながら、それでも快感に身を委ねる彼女を高みから見物するだけのつもりだった。


だがしだいに、涙を流しながら絶頂に震えるリーンの姿は、王に新しい興奮を与えた。


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