身代わり王女に花嫁教育、始めます!
(それでも、もし、カリムさまがわたしの力になってくださったら……)


リーンはカリムの、『シャーヒーンと体の関係などない』その言葉に胸をときめかせた。

彼はきっと誠実な男性に違いない。女性の扱いに手馴れてはいるものの、乱れた生活を送っている様子は微塵も見えない。リーンにすることは王命により仕方なくなのだ、と。

彼女は初恋にありがちな、カリムに“気高き砂漠の戦士”といった想像を抱いていた。


それが、まるで見当違いなどと、彼女にわかるはずもなく……。


水から上がることになり、彼女は告白のチャンスだと考えた。

まさか、その行動がカリムによって押し止められ、さらなる辱めを与えられるとは思いもせずに。


カリムは怒ったかのようにリーンの濡れた衣を引き裂き、砂上に投げ捨てた。

逆らうことも、声を上げることもできず……気づいたときにはカリムの指がリーンの恥ずかしい場所に触れていたのだ。

それは彼によって教えられた行為。悦びの頂点へと導かれ、女であることを否応なしに開発された場所。そして本来は“王の花嫁になるための教え”だった。


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