身代わり王女に花嫁教育、始めます!
「あの……口づけは禁じられているのでは?」

「そうだ。それを破らせたのはお前だ。罪を負う覚悟はあるのだろうな?」


サクルがそう言うと、リーンはたちまち涙を零した。


「申し訳ありません。カリ……いえ、サクルさまにそのような罪を犯させるつもりは」

「もう遅い」


ひと言答えて、彼は口づけを続ける。

こうなることはわかっていた。だがこれ以上は――。

サクルは理性をかき集め、勢いをつけてリーンから身体を引き離す。


「なぜだ? 王はお前を妻にと……それも正妃にすると言っているのだ。それを、こんな愚かな行為で……お前はバスィールがどうなってもよいのか?」


すると、リーンは力なく座り込み、首をふった。


「大公陛下の、いえ、何よりバスィールの国民のため、どんなことでもするつもりだったのに。でも……サクルさまが。あなたに触れられるだけで、わたしはおかしくなってしまうの。あなたに会いたくて、少しでも笑顔が見たくて、わたし……わたし」


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