身代わり王女に花嫁教育、始めます!
同じ砂漠の民でもエルハーム一族などは白いトーブ姿だ。バスィールでも砂漠の一族はほとんどが白いトーブを着ている。

違う色を着るのは、クアルンの王に従わぬ証。

とはいえ、今、独立を許されている部族は、先の戦いが終わったとき、クアルン王に忠誠を誓ったはずである。

それが……。


「やはり……クライシュ族か」

「族長のカッハールだ」

「族長? なるほど、ハカムの長男だな。五年前、最後まで我が王に対する忠誠を拒んでいたと聞いている。しかし、クライシュ族は当時の族長ハカムの名の下に、忠誠を誓った。誓いを破るのは砂漠の民の恥と心得よ!」


囚われの身でありながら、アリーは毅然として言い返した。

その姿はどこかサクルを思わせる。リーンは訳もわからず、ことの成り行きを見つめることしかできない。


「誓いを破ったのは“狂王”のほうではないかっ!?」


それはカッハールの背後から上がった声だ。「そうだ!」「族長の弟を殺した悪党め!」そんな声が続く。


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